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【MBA】イノベーションのジレンマによってデジカメはスマホに市場を奪われた

「PENTAX K-1 MarkⅡのボディとミラー」の写真

1. コンパクトデジカメがスマホに市場を奪われた

ほんの10年前まで、写真撮影の主流はコンパクトデジカメでした。しかし、今日では多くの人がスマホで気軽に写真や動画を撮影し、インターネット上でシェアをしています。

 

きっかけは2008年に登場したiPhoneです。

当時のiPhoneはカメラ性能も優れてはおらず、電話にオマケでカメラがついた程度のものでした。

カメラメーカは「こんなものはオモチャだ」と相手にしてきませんでしたが、2016年にはデジカメの生産量は8分の1まで激減してしまいます。

iPhoneをはじめとしたスマートホンに市場を奪われてしまったのです。

 

この間、デジカメメーカは余裕をこいて性能向上を怠っていた訳ではありません。しっかりと顧客の声に耳を傾け、膨大な技術開発投資を続けていました。

 

それなのに何故、デジカメメーカは市場を奪われてしまったのでしょうか。

 

2. デジカメメーカは持続的技術に集中しすぎた

「禅禅禅座」の写真[モデル:河村友歌]

ハーバードビジネススクールのクレイトン・クリステンセンは「リーダー企業は競争感覚を研ぎ澄まし、顧客に注意深く耳を傾け、新技術に積極的に投資するからこそ、リーダーの地位を失う」と指摘しています。

 

カメラメーカは、同業他社をしっかりと分析し、戦略的に商品の開発・販売を行ってきたと思います。

しかし、それ故に、同業者以外の参入(スマホメーカ等)に対し、脅威を感じるのが遅くなってしまった事は否めません。

 

また、顧客からは「解像度を上げてほしい」、「デザインを変えてほしい」などの要望があり、それにもしっかり対応してきたのだと思います。

このような製品性能を高める技術を持続的技術と呼びますが、この持続的技術は時に、破壊的技術によって市場そのものを奪われてしまうことがあります。

 

破壊的技術とは、製品性能は下がるが、低価格、シンプル、小型化などを実現し、それまで使わなかった新しい顧客に使われる技術を指します。

スマートホンはデジカメより、カメラ機能は劣るが、メールを送れ、常に持ち歩きができるといった点で、デジカメメーカでは取得できなかった顧客層を取り入れていきました。

 

そして破壊的技術は時間とともに性能を高めていきますので、今ではカメラ機能も充実したスマホが世に普及しています。

こうなると、デジカメが市場から追い出される当然な流れだと見て取れます。

 

3. 実はデジカメもフィルムカメラから市場を奪っていた

「消してぇー リライトしてぇー」の写真[モデル:朽木誠一郎]

このような状況をイノベーションのジレンマと呼びます。

革新的な技術やビジネスモデルで従来の企業を打ち破った企業が、大企業になると革新性を失ってしまう状態や、さらに最先端の技術開発をしても成功に結びつかない状態などを、総じてイノベーションのジレンマと呼ぶ。

イノベーションのジレンマとは・意味|MBAのグロービス経営大学院

 

実はデジタルカメラもかつてはイノベーターとしてフィルムカメラを市場から追い出しています。

リーダー企業は新しい技術に淘汰され、新しくリーダー企業になった組織もいずれは新しい技術に淘汰されていくというある意味健全な流れなのかもしれません。

  

リーダー企業になった時には、持続的技術を磨くとともに、破壊的技術の脅威を探りながら事業を行うことがいかに重要かがよくわかります。